紫の牛(Purple Cow)

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The thing that’s gonna decide what gets talked about,
what gets done, what gets changed, what gets purchased,
what gets built, is “Is it remarkable?”

何が会話のきっかけになり、何がなされ、何が変化し、何が買われて、
何が生み出されるのか。それらはすべて、そのアイディアが「他人に話すに値するか
どうか」がカギとなる。

いかに技術的に優れたソリューションであっても、それが「他人に話すに値する」
と思われなければ、アイディアは広まりようがない。

Godin のたとえ話。
普通の牛を見かけても、それを他人に話したくはならないだろうが、
もしもその牛が紫(Purple Cow)だったら、それは「他人に話すに値する」出来事
になるよね。

「俺、紫の牛を見たんだぜ」

Wikipedia によると、Godin の紫の牛のモデルが米国 Yahoo! の
キャンパスにあるらしいが、これがその写真。

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ひょっとしたら、Yahoo! のロゴが時々紫で表現される事があるのも、
この紫の牛を意識しての事かもしれない。

紫の牛の具体例として、『リトルミスマッチ』という靴下の会社の例がある。
11歳をターゲットユーザとしているこの靴下の会社は、左右同じデザインの靴下が
買えない仕組みになっているらしい。

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11歳の子供が左右デザインがバラバラの靴下を履いて学校に行き、
目をキラキラさせながら友達にこう言うわけだ。

「私の靴下見たい?」

コンシューマーはあなたの事など気にしていない

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Seth Godin のプレゼンテーションの次の大きなポイントは、

『コンシューマーはあなたの事など気にしていない』

という点だ。

“Consumers don’t care about you at all. They just don’t care.
Part of the reason is they got way more choices than they used to
and way less time.
And in the world we have too many choices and too little time,
the obvious thing to do is just to ignore stuff.”

コンシューマーはあなたの事など気にしていない。全く気にもかけていない。
大きな理由は、昔に比べて現代のコンシューマーには多すぎる選択肢
があり、それに対して時間が圧倒的に少なすぎるということだ。
そのような状況下では、人はただ(メッセージを)無視するようになっていく。

マス向けの商品が、マスに向けてプロモーションされる事が多くなればなるほど、
人は一つ一つに神経を集中させる事ができなくなり、無視するようになる。
これが彼が TV を使ったマスコミュニケーションの効果が衰えてきている理由だと
言っている。

ここから先の彼の論理展開は、無視する事が今となっては得意になっているマス
に向けて売り込むのではなく、一部の熱狂的な人達を獲得する方向で、
コンシューマーのアテンションを狙う事が重要という話に至る。

個人的見解だが、それで成功したのが Wii Fit であり iPhone であると思う。
ちょっと前になるが、Wii Fit が出たころ、周りの人から Wii Fit の楽しさを
ぐったりするほど聞かされたものだった。
今、私の周りには、iPhone の凄さを見せたくて、話したくてうずうずしている人達が居る。
熱狂的なファンは、自然と人にアイディアを広めてくれるという典型的な例だ。
ついつい人に話したくなる要素を備えている事、それはもちろん簡単な事ではないが、
頑張って見出すだけの価値はある。

ついつい人に話したくなっている時、あるいは誰かが「これ見て!」と言っている時に、
アイディアが広がっているのが感じられるはずです。

マーケティングの勝者は、アイディアを広める者である

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Seth Godin: Sliced bread and other marketing delights

の内容とプレゼンテーション手法が素晴らしすぎて、最初に見つけてから、
YouTube 上で何度も見たし、mp3 にして iPod で持ち歩き繰り返し聞いている。

このたった20分足らずのプレゼンテーションの中で彼は、マスマーケティングの力が
衰えてしまった今、その変わりに効果的なマーケティングを行うために何をすべき
なのかを解説している。
まず最初のポイントはこれだ。

『商材の特許がどうであるか、仕様がどうかではなく、アイディアを広めた者が成功する』

The success of almost everything we’ve been talking about at this
conference is not always about what the patent is like, or what the
factor is like. it’s about can you get your idea to spread or not.

と言っている。
この言葉は、IT技術者としてキャリアを過ごしてきた私の大きな疑問に対する答えとして
心に響いた。

その疑問とは、なぜ、(例えば)ブログのような技術的には非常にシンプルなサービス
が世界中で大ヒットして(もっと最近では Twitter)、私が過去に担当したブログ
よりも何段も複雑なシステムはブログほど広まる事はなかったのか?ということ。

他社に追随されないため、差別化のためにも、複雑な仕様の機能の追加は
経営層から喜ばれた。何か特許を取得できる要素は無いかと聞かれる
事もあった。しかし、その製品の利点(アイディア)を広める事ができなければ、
手元に残るのは、限られた人しか使わない、必要以上に複雑怪奇なシステムだ。

そのころから、私はなんとなくプロジェクト推進時に「システム」よりも「サービス」に
重点を置くようになった。
そしてそれから数年経った今、Seth Godin がこの現象を見事に言い当ててくれた
おかげで長年の謎が解けて、とても爽快な気分だ。
今後は、なんとなくではなく、明確に意識する事ができる。

“can you get your idea to spread?”
あなたのアイディアを広めることができるか?

力点を置くべきは、そこだ。
サービスを企画する際、マーケティングを行う際には常にこれを意識ていたいと思う。

一人映画音楽祭り

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どの曲も凝縮された旋律で、一瞬の隙も無い曲ばかりです。
こういう曲が人を映画に引き込むのでしょうね。

Michael Nyman - The heart asks the pleasure first
(from ピアノレッスン)
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Paola Sapora - Taylor lo Canto
(from 太陽は夜も輝く)
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Ennio Morricone
(from ニュー・シネマパラダイス)
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Dmitri Shostakovich - Waltz 2 From Jazz Suite
(from アイズワイドシャット)
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Vivaldi - Nulla in Mundo Pax Sincera
(from シャイン)
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Yann Tiersen - J’y Suis Jamais Alle
(from アメリ)
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CTR 神話に有効性が無いと断定するには、まだちょっとだけ早すぎる件

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オンラインメディアに対する期待は「全てが測定可能である」という点であり、
ユーザーがどのようにオンライン広告とインタラクトしたかを測定し、数値化する
事にその意義が見出された。

現在そのインタラクションの方法とは主に、

見る(Impression)
触る(MouseOver/Focus)
その先の情報を求める(Click)
成約/購買(Sign-up/Purchase)

であり、
インタラクションの深度としては、上から下へと深くなるとされている。
そして、インタラクションの深度が深ければ、深いほど、ユーザが『エンゲージ』
してくれたと捉える事ができ、プロモーターとしては嬉しいわけだ。

2008 Year-in-Review Benchmarks (DoubleClick 社)

によると、
アメリカでのリッチメディア広告の CTR 平均は 0.10%であり、
アジア圏、特に日本で期待される CTR より格段に低い。

しかし、インタラクション率は 2.11%, 平均インタラクション時間は10.29秒
エキスパンド広告の場合、エキスパンド率は 2.46%、平均時間が 6.50秒
動画広告の場合、再生終了率が 54.52% 平均時間が32.13 秒
と、決してクリックしなかったから必ずしもユーザが『エンゲージ』してくれなかった、
興味を持ってくれなかった、とは言えない数値が出てきている。

そこで、クリックというエンゲージ手法でインタラクトしてくれるユーザは押しなべて
同程度の価値があるという評価を行う CTR という評価手法に疑問を持つ動きがある。
それは、多少のノイズはあるものの、クリックをしてくれる人はある一定以上の興味を
抱いてくれているから、という発想が CTR 評価の基本概念となるところ、
商材には興味があるが、クリックしないというユーザが増え、
クリック数に応じて支払う事が慣習となりつつある広告主の狭間で、
パブリッシャー達が CTR では本当の広告効果は計測できない、
と唱えているのが、今回の Online Publisher Association の発表である。

ポイントはざっと以下の通り。

・クリックよりも正確にオンラインキャンペーンによるブランド向上効果
 を測定する方法はある
・検索+サイト訪問+eコマース購買=ディスプレイ広告の優れた効果指標
・ディスプレイ広告の閲覧者5人に1人は広告主のブランドに関連した検索を行う
・ディスプレイ広告の閲覧者3人に1人は広告主のブランドサイトに訪問する
・大規模なオンラインキャンペーンの閲覧者はその広告カテゴリにおけるeコマース
での利用金額が高い
・環境による影響:コンテンツサイト上の広告閲覧者は質と行動が異なる
・ディスプレイ広告の閲覧者は広告主のサイトに長く滞在し、より多くの
 ページを閲覧する傾向にある
・ディスプレイ広告の閲覧者で広告主のサイトを訪問するユーザは
 その他のサイト訪問ユーザと比較して収入が高い傾向にあり、オンライン
 での消費傾向も高い

これを CTR ベースではジリ貧となるパブリッシャーにとって都合の良いデータだけを
集めただけのものと見る人もいるだろう。
それに、上記ポイントは今のところ限定された範囲で行われたリサーチであって、
現在のテクノロジーでは一般的な各サイトがこれらのポイントを明確化する方法が無い
事も歯がゆいところだ。

エンゲージメント手法として深度の深そうなクリックよりもインプレッションのほうが
効果が高いとするならば、ユーザは
「今、(クリックして)サイトを見ましょう」
と言われるよりも、度重なるインプレッション効果により刷り込まれたブランドに対して
自分に都合の良いタイミングでサイトを検索するなりして、自主的に訪問する
スタイルのほうが合っているからかもしれない。
(その結果レレバンシーの高い広告をクリックというパターンによる CTR は多いにアリ)

刷り込まれ具合をシステマチックに数値化する事ができるならば面白い。
インターネットはそこにどんな解決法を提供してくれるのでしょうか。
それが実現された時にこそ、CTR 単独での評価は間違いなく過去の指標となること
でしょう。

結局、CPM ベースで刷り込みを行い、ブランディング効果を高めていく。
それが現在のユーザ、広告主、パブリッシャーの三者にとって一番健全なのでは
ないでしょうか。

断定的な答えを出すには至りませんし、自己矛盾も含んだ文章で恐縮ですが、
オンラインメディアにおける興味深い話題ではありませんか。
延々議論できそうな気がします。