Vodka Martini,Shaken,not stirred

私にとって現時点で幻のカクテルになりつつある

  ”A Tinker Tall”

を、今日こそは作ってもらえるかと、祈る気持ちでバーのドアを開く。

でもやっぱりまだ Irish Mist が無かった。残念。
いいんです。じゃあマティーニ一杯頂いて帰ります。

バーテンダーさんが、ボンド風のマティーニを作りましょうかと提案してくれる。
ジンの代わりにウォッカを使ってシェイクするアレだ。

これね。

vodka-martini

飲んでみると、そのまろやかさに驚く。
アルコール飲料と思えない程。
キンキンに冷えている事、シェーカーに霜がびっしりつく程にシェイクする事により
角がとれて、非常に飲みやすくなるようだ。
ビールは飲めないが、これなら何杯でも飲めてしまいそうで危険だ。
飲んでもこれだけ冷たいのであれば、さぞかしシェイクしている間に手が痛いだろうと
想像する。

そんなバーテンダーさんの渾身の一杯をこうしていただけるのかと思うと、
自然と感謝と尊敬の念が湧いてくる。
そしてプロフェッショナルの渾身の一杯と、適当に作られたカクテルとの差を思い知る。
いい仕事をしてもらうのは、とても気持ちの良いことで、
そして、自分もこのレベルで良い仕事をしなければなと再確認です。

『ほんの一杯のつもりで飲んで~』、という歌の通り、一杯だけ、と思って
一杯で終われる事はまずないという事を学んだ。

グランマニエをショットで。^^;

grandmanier

とても甘い。

あと、ワインとシャンパンを一杯ずついただきながら音楽談義から映画談義へと。

champaign

たまには理屈抜きもいいな。

錆びた釘

最近、仕事も順調に忙しくなってきて、
「一日の疲れが一晩でとれなくなってきてね・・・」
と同僚にこぼしている自分に気づいて、気分転換のために
凝り固まった肩をほぐしてもらいに行こうかと、金曜日の帰りの電車の中から
iPhone で家の近所のマッサージ店の営業時間を確認する。
・・・11時閉店。
時計はすでに深夜をまわっている。

体が癒せないなら、せめて心だけでも癒せるようにと Google でバーを検索。
便利な世の中になったもので、およそ酒と酒を出す店に疎い私が、
わずか数秒で、駅から数ブロック自宅の反対に向かって歩いたところに、
8席しかない良さそうなお店を発見。

ライティングは暗く、耳に心地よい低音で聞こえてくる会話、音楽はジャズ。ピアノ
であればなお良し。席はカウンター、カウンターテーブルはオールドファッションで
温かみのある木製が望ましい。そして動作に無駄が無いバーテンが居る事。

これが私の勝手なバーの理想像。
その理想にかなり近いお店だった。

暑い夜で、軽く汗をかいていた事もあって、まずは軽く腕試しの積もりで、
「スッキリした気分になれるカクテルを」
と注文。
丁寧にクラッシュされたカッチリ締まった氷と、フレッシュなミントのモヒート。

うまい。
汗がスーッとひいていく。ほんのり甘くて軽くて飲みやすい。
夏のカクテルだ。

暫く常連客の会話に耳を傾ける。
話題は歌舞伎から高校野球、花火と夏らしい話題へ。
年代も私自身とそう変わらないと思われたが、場慣れしているようでもあり、
若干年上に見える。

次の一杯はマティーニを注文。
私は酒が弱いので、気をつけなければいけないのだが、モヒートがとても
丁寧なつくりだったので、どうしても飲んでみたくなった。
写真を撮り忘れているのが心残りだが、見た目、味、これも完璧な一杯。
キンキンに冷えており、オリーブも美味しい。
隙が無い。

最後にもう一杯だけ、と。
「よく眠れそうなのをください」
と注文して、出てきたのが、コレ。

ラスティネイル(錆びた釘)

rusty-nail

飲み終えて、店を後にした頃には、すっかり気分が良くなり、
錆びた釘のようであった私の体まで癒されていた。

バーテンにとって、私は今日初めての客で、好みも酒量も、腹具合もわからない中、
ほんの少しの会話から私の状態をくみ取った、この三杯は、
間違いなくプロの仕事だと思った。
奥の深い世界であり、ちょっとばかり挑戦的すぎたと、私の注文を反省した。
次回はもう少し素直に注文しよう。

いい店と出会えた事が素直に嬉しい。