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失敗の本質(組織の逆機能)

このような人間関係や組織内融和の重視は、本来、軍隊のような
官僚制組織の硬直化を防ぎ、その逆機能の悪影響を緩和し組織の
効率性を補完する役割を果たすはずであった。しかし、インパール作戦を
めぐっては、組織の逆機能発生を抑制・緩和し、あるいは組織の
潤滑油たるべきはずの要素が、むしろそれ自身の逆機能を発現させ、
組織の合理性・効率性を歪める結果となってしまったのである。

~失敗の本質
日本軍の組織論的研究
中公文庫
一章 失敗の事例研究 インパール作戦 P174 より抜粋~

失敗の本質(人間関係重視、組織内融和)

では、なぜこのような杜撰な作戦計画がそのまま上級司令部
の承認を得、実施に移されたのか。これには、特異な使命感に
燃え、部下の異論を抑えつけ、上級司令部の幕僚の意見には従わない
とする牟田口の個人的性格、またそのような彼の行動を許容した
河辺のリーダーシップ・スタイルなどが関連していよう。しかし、
それ以上に重要なのは、鵯越作戦計画が上級司令部の同意と許可
を得ていくプロセスに示された、「人情」という名の人間関係重視、
組織内融和の優先であろう。そしてこれは、作戦中止決定の場合にも
顕著に現れた。

~失敗の本質
日本軍の組織論的研究
中公文庫
一章 失敗の事例研究 インパール作戦 P174 より抜粋~

失敗の本質(疑念の抑圧)

情報の貧困、敵戦力の過小評価、先入観の根強さ、学習の欠如、
また「必勝の信念」という非合理的心情も、積極性と攻撃を同一視し
これを過度に強調することによって、杜撰な計画に対する疑念を
抑圧した。

~失敗の本質
日本軍の組織論的研究
中公文庫
一章 失敗の事例研究 インパール作戦 P174 より抜粋~

失敗の本質(計画の堅実性と柔軟性)

要するに、第十五軍の作戦計画は杜撰であった。補給の不備と
コンテンジェンシー・プランの欠如に特徴づけられるその計画は、
堅実性と柔軟性を欠いた。

~失敗の本質
日本軍の組織論的研究
中公文庫
一章 失敗の事例研究 インパール作戦 P174 より抜粋~

失敗の本質(無計画性、場当たり的対応、部分最適と全体最適)

むしろ第十五軍、方面軍、南方軍の判断からすれば、戦局が
悪化しビルマ情勢が風雲急を告げたからこそ、インパール作戦が
必要であった。たとえビルマ防衛のために攻勢防御が妥当な措置
であるとしても、当時の日本の衰えつつある国力から見て、それが
戦局全体にとって必要かつ可能な作戦であったかどうかについては
大きな疑問の余地があろう。

~失敗の本質
日本軍の組織論的研究
中公文庫
一章 失敗の事例研究 インパール作戦 P174 より抜粋~