失敗の本質(高度の平凡性)
結論的にいえば、日本軍のおかした失策が米軍のそれより大きかった
ということである。日本軍人の勇敢さや個々の士官の優秀さは米軍側
も認めるところであったが、こうした人々は巨大で複雑な、組織化された
現代戦の作戦で成功を勝ちとるのに必要不可欠な「高度の平凡性」
(フィールド『レイテ湾の日本艦隊』)が不足していたのである。
フィールドはその具体的な表われとして、次の点をあげている。
①聡明な独創的イニシアチブが欠けていたこと。
②命令または戦則に反した行動をたびたびとったこと。
③虚構の成功の報告を再三報じたこと。
こうした一つ一つの小さな失策が積み重なって、作戦全体の帰趨が
決定づけられたのである。各自が錯誤の余地を少なくするためには、
日常的な思考・行動の延長の範囲で活動できることが必要である。
~失敗の本質
日本軍の組織論的研究
中公文庫
一章 失敗の事例研究 レイテ海戦 P220 より抜粋~