コンシューマーはあなたの事など気にしていない

Seth Godin のプレゼンテーションの次の大きなポイントは、

『コンシューマーはあなたの事など気にしていない』

という点だ。

“Consumers don’t care about you at all. They just don’t care.
Part of the reason is they got way more choices than they used to
and way less time.
And in the world we have too many choices and too little time,
the obvious thing to do is just to ignore stuff.”

コンシューマーはあなたの事など気にしていない。全く気にもかけていない。
大きな理由は、昔に比べて現代のコンシューマーには多すぎる選択肢
があり、それに対して時間が圧倒的に少なすぎるということだ。
そのような状況下では、人はただ(メッセージを)無視するようになっていく。

マス向けの商品が、マスに向けてプロモーションされる事が多くなればなるほど、
人は一つ一つに神経を集中させる事ができなくなり、無視するようになる。
これが彼が TV を使ったマスコミュニケーションの効果が衰えてきている理由だと
言っている。

ここから先の彼の論理展開は、無視する事が今となっては得意になっているマス
に向けて売り込むのではなく、一部の熱狂的な人達を獲得する方向で、
コンシューマーのアテンションを狙う事が重要という話に至る。

個人的見解だが、それで成功したのが Wii Fit であり iPhone であると思う。
ちょっと前になるが、Wii Fit が出たころ、周りの人から Wii Fit の楽しさを
ぐったりするほど聞かされたものだった。
今、私の周りには、iPhone の凄さを見せたくて、話したくてうずうずしている人達が居る。
熱狂的なファンは、自然と人にアイディアを広めてくれるという典型的な例だ。
ついつい人に話したくなる要素を備えている事、それはもちろん簡単な事ではないが、
頑張って見出すだけの価値はある。

ついつい人に話したくなっている時、あるいは誰かが「これ見て!」と言っている時に、
アイディアが広がっているのが感じられるはずです。

マーケティングの勝者は、アイディアを広める者である

Seth Godin: Sliced bread and other marketing delights

の内容とプレゼンテーション手法が素晴らしすぎて、最初に見つけてから、
YouTube 上で何度も見たし、mp3 にして iPod で持ち歩き繰り返し聞いている。

このたった20分足らずのプレゼンテーションの中で彼は、マスマーケティングの力が
衰えてしまった今、その変わりに効果的なマーケティングを行うために何をすべき
なのかを解説している。
まず最初のポイントはこれだ。

『商材の特許がどうであるか、仕様がどうかではなく、アイディアを広めた者が成功する』

The success of almost everything we’ve been talking about at this
conference is not always about what the patent is like, or what the
factor is like. it’s about can you get your idea to spread or not.

と言っている。
この言葉は、IT技術者としてキャリアを過ごしてきた私の大きな疑問に対する答えとして
心に響いた。

その疑問とは、なぜ、(例えば)ブログのような技術的には非常にシンプルなサービス
が世界中で大ヒットして(もっと最近では Twitter)、私が過去に担当したブログ
よりも何段も複雑なシステムはブログほど広まる事はなかったのか?ということ。

他社に追随されないため、差別化のためにも、複雑な仕様の機能の追加は
経営層から喜ばれた。何か特許を取得できる要素は無いかと聞かれる
事もあった。しかし、その製品の利点(アイディア)を広める事ができなければ、
手元に残るのは、限られた人しか使わない、必要以上に複雑怪奇なシステムだ。

そのころから、私はなんとなくプロジェクト推進時に「システム」よりも「サービス」に
重点を置くようになった。
そしてそれから数年経った今、Seth Godin がこの現象を見事に言い当ててくれた
おかげで長年の謎が解けて、とても爽快な気分だ。
今後は、なんとなくではなく、明確に意識する事ができる。

“can you get your idea to spread?”
あなたのアイディアを広めることができるか?

力点を置くべきは、そこだ。
サービスを企画する際、マーケティングを行う際には常にこれを意識ていたいと思う。

Seth Godin の最近のブログ投稿「You matter」を自分なりに和訳してみる

今の仕事が好きで、一緒に仕事している人達が好きであれば、You Matter.
今のあなたに感謝できて、寛大で、気が効いて、あなたの事よりも
他人の事が優先できるのであれば、You Matter.
世界が少しでも良くなるように何かできるのであれば、You Matter.
努力の量と質を常に上げ続けられるのであれば、You Matter.
人を教え、ダメだと決めつけないで、許容し、さらに教える事が
できるのであれば、You Matter.
行動と(そして言葉で)周囲の人に影響を与えられるのであれば、You Matter.
子供が将来あなたのようになりたいのであれば、You Matter.
今の世の中をありのまま受け入れつつ、より良い世の中にするための
努力を続けているのであれば、You Matter.
ノーベル賞受賞者も、浮浪者も同じようにインスパイアできるようで
あれば、You Matter.
あなたが部屋に入ると共に部屋の空気が明るくなったような感じが
するようであれば、You Matter.
そして、あなたが残す伝説が、数時間、数日、あるいは生涯にわたって
語り継がれるようであれば、You Matter.

<原文>
You Matter by Seth Godin

When you love the work you do and the people you do it with, you matter.
When you are so gracious and generous and aware that you think of other people before yourself, you matter.
When you leave the world a better place than you found it, you matter.
When you continue to raise the bar on what you do and how you do it, you matter.
When you teach and forgive and teach more before you rush to judge and demean, you matter.
When you touch the people in your life through your actions (and your words), you matter.
When kids grow up wanting to be you, you matter.
When you see the world as it is, but insist on making it more like it could be, you matter.
When you inspire a Nobel prize winner or a slum dweller, you matter.
When the room brightens when you walk in, you matter.
And when the legacy you leave behind lasts for hours, days or a lifetime, you matter.

You matter って日本語でなんだろうなぁ。

ネットサービスを広めたい人は一度は見るべきYouTube

head-clickme2

Seth Godin のブログに “Guy #3” (3人目の人)というブログ記事があり、
一見なんの事だか良くわからないYouTubeが貼ってあるのです。コレ

You need to a flashplayer enabled browser to view this YouTube video

彼曰く、この「現象」は*何か*がバイラル効果によって広まっていく様子を
ある意味ビジュアライズしたビデオであると言っています。
こういう視点も彼のコミカルなところだと思いますが。

な、なるほど!

と思ってしまいました。実際こんな感じなんだろうなと思うと、鳥肌立ちます。

そして、彼は一人が踊っているだけなら、それはただの「おかしな人」
2人目ぐらいまではそんな感じ。だが、「3人目の人」が参加したところから、
急に状況が変化してくる。

「3人目の人」が重要だ。

と言っています。
(そして、49人目にはもうすでに何の意味もない、とも言っています)

Seth Godin という面白いマーケティングの話をする人

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Seth Godin: Sliced bread and other marketing delights

パーミッション広告の概念を広めた、Seth Godin という方。
マーケティングにおいて、いかに目立つ事、人の話題に上ることが重要か
について、面白可笑しく説明してくれています。
バイラルの力を利用する事を推奨していて、口コミを撒き散らす人を
Sneezer(くしゃみをする人=ウィルスをまき散らす人)と呼び、
目立つプロダクトを「Purple Cow(紫色の牛)」と呼ぶのが彼の用語で
あるところも興味深い。

マジメなマーケティングテーマを扱っている話をしているのに、
話にぐんぐん引き込まれていく。

adtech の mp3 を聞いていてもそうだけど、Keynote スピーカー達は
面白可笑しくマジメなテーマを伝える事に長けている。
マーケティングだけじゃなくて、コミュニケーションの勉強にもなるなぁ。